韓国外国語大の尹徳敏教授 「過去の失敗合意と酷似」

2018/06/13 07:11

 約27年にわたる北朝鮮の核問題と国際社会の歴史の中でようやく米朝首脳の会談が実現したが、合意に詳細な部分はなく「歴史的な会談」が行われただけに終わった。

 共同声明に「朝鮮半島の完全な非核化」という文言は入っているものの、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」にまでは踏み込んでいない。核弾頭や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の移転、解体はもちろん、非核化をめぐる期限にも触れていない。

 また、トランプ米大統領は会談後の記者会見で、在韓米軍の費用にも言及し、米韓合同軍事演習の中断が費用の節約になるとまで言った。韓米、日米などの同盟関係を気にしていないかのような発言で、何らかの“取引材料”がある可能性を疑わせる。

 トランプ氏は、北朝鮮がすぐにも非核化に着手すると言ったが、これまでにやってきた核実験場の爆破などを評価しているにすぎない。北朝鮮は実質的な非核化はしていない。

 また、トランプ氏は北朝鮮への制裁を続けると言った。だが、このような状況で中国や韓国は制裁を続けられるだろうか。これまでの米朝の合意と比べてみても、今回の会談で進展した部分は見当たらず、失敗した過去の合意と似ている。

 課題は今後の米朝実務協議に委ねるかたちとなった。金正恩氏は非核化の原則を受け入れたのだろうが、問題は目に見えるかたちでそれを実行できるかどうかだ。(聞き手 名村隆寛)