米大使館、エルサレム移転 パレスチナ反発、和平情勢の転機に

2018/05/15 01:06

 【エルサレム=佐藤貴生】トランプ米政権は14日、在イスラエル大使館を西部テルアビブからエルサレムに移転した。国際社会が支持してきたイスラエルとパレスチナの「2国家共存」案の否定につながりかねず、東エルサレムを将来の首都と位置づけるパレスチナ側は強く反発。パレスチナ和平をめぐる情勢は大きな転機を迎えた。

 エルサレムの米総領事館で行われた大使館の開設式典で、トランプ大統領はビデオ演説を通じ、「歴史ある聖なる地」に大使館を開いたと述べた。また、イスラエルとパレスチナの平和条約締結に向けて努力する意向を表明した。一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、「あなたは歴史を作った」とトランプ氏が下した決断を称賛した。

 大使館には当面、総領事館の一部施設が使われる見通し。式典にはトランプ氏長女のイバンカ大統領補佐官とクシュナー大統領上級顧問の夫妻や、ムニューシン財務長官らが出席した。

 

 トランプ氏は昨年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、在イスラエル米大使館をエルサレムに移転すると表明。和平交渉の再開を求めているが、パレスチナ自治政府のアッバス議長は米の調停を拒否、関係は悪化している。

 ガザやヨルダン川西岸のパレスチナ自治区での大規模抗議デモに備え、イスラエルは警備を大幅に増強。エルサレムの米大使館周辺にも千人規模の警官を配置し、厳戒態勢を敷いた。

 また、13日には国際テロ組織アルカーイダを率いるザワヒリ容疑者が声明で、イスラム教徒に対して米国にジハード(聖戦)を仕掛けるよう求めた。