イラン核合意の維持を決定 米大統領、制裁再開せず

2018/01/13 10:25

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米政権は12日、2015年の欧米など6カ国とイランの核合意に基づいて解除された同国への独自制裁を再開せず、当面は制裁解除を継続すると発表した。トランプ大統領が破棄を主張してきた核合意は維持される。その一方で米財務省はイランの大規模デモへの弾圧や弾道ミサイル開発などに関わったとして、核関連とは別に14個人・団体を制裁対象に追加し、圧力を強化した。

 核合意はイランが核開発を大幅に制限するのに対し、欧米などが制裁を解除する内容だ。米大統領が独自制裁の解除を続けるには120日ごとに更新する必要があり、欧州は中東が不安定化する懸念から、合意破棄を主張するトランプ氏に維持を求めてきた。

 トランプ氏は声明で、合意はイランが核兵器開発を再開する道を残しながら金銭的利益を得させる内容だと指摘し、「致命的な欠陥が修正されなければ、米国は合意から撤退する」と見直しを求めた。米議会にもイランの核兵器取得の道を完全にふさぎ、イランに合意違反があった場合に自動的に核関連の制裁を再開する立法措置を要求した。

 

 独自制裁の解除は5月に次の期限を迎えるが、トランプ氏は今回の更新を「最後のチャンスだ」とし、合意や国内法の見直しが進展しなければ核合意から脱退すると強調した。

 米財務省が追加制裁の対象に指定したのは、イラン国会のアリ・ラリジャニ議長の弟のサデク・ラリジャニ司法府代表ら。同代表は国民への人権侵害に関わったとして指定されたが、米政府高官は「政権首脳に人権侵害を容認しないという強いメッセージを送った」と説明している。

 イラン革命防衛隊のサイバー部門や、同国のミサイル関連企業と取引した中国人も指定された。