トランプ氏、大使館移転を正式発表 「和平プロセス、20年たっても近づいていない」

2017/12/07 08:45

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館の移転手続きを開始するよう国務省に指示したと正式発表した。東エルサレムを将来の首都と位置づけるパレスチナ自治政府は猛反発しており、米国の仲介による中東和平交渉の再開は極めて困難となった。

 トランプ氏は、エルサレムの首都認定と大使館移転を義務づける米国内法が1995年に制定されたにもかかわらず、歴代大統領が実施を延期してきたことについて、「和平プロセスを前進させると信じての措置だったが、20年以上たっても和平に全く近づいていない」と指摘。今回の措置で「中東和平に対する新たな取り組みが始まる」と強調した。

 各国は全て大使館をテルアビブに置いており、移転されればエルサレムでの唯一の大使館となる。

 トランプ氏はまた、「米国は和平の推進に深く関与していく」と述べ、和平交渉再開への取り組みを続ける意向も示した。ペンス副大統領が近く中東を訪問することも明らかにした。

 

 エルサレムの地位をめぐるイスラエルと自治政府の主張の対立に関しては特定の態度は取らないとし、自治政府への配慮も示した。ただ、パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」については「イスラエルとパレスチナが望めば支持する」とし、強く固執しない姿勢を示唆した。

 一方、ティラーソン米国務長官は6日、トランプ氏の決定を受け、大使館の移転に向けた作業を「直ちに始める」と表明した。

 ティラーソン氏は、今回の措置は「(首都機能がエルサレムにある)実態を反映したものだ」と指摘。移転時期などの具体的な見通しは明らかにしなかった。

 また、米国防総省のマニング報道部長は6日、今回の措置に対してアラブ諸国の反発が高まっていることに関し、イスラエルや中東諸国の米在外公館の警備を強化する意向を示した。