北朝鮮、板門店で脱北兵銃撃 韓国へ亡命 流血し倒れていたところを保護

2017/11/14 07:23

 【ソウル=名村隆寛】朝鮮半島の南北軍事境界線がある板門店で13日午後、北朝鮮の兵士1人が韓国側に越境し亡命した。北朝鮮は逃走する兵士を銃撃。兵士は負傷し、韓国領内に緊急搬送され治療を受けている。韓国軍合同参謀本部が発表した。

 韓国軍によると、兵士は板門店の共同警備区域(JSA)北側の「板門閣」の前方にある北朝鮮の哨戒所から、韓国側施設である「自由の家」に向かって逃走した。

 聯合ニュースが合同参謀本部の関係者の話として報じたところでは、事件が起きたのは同日午後3時31分ごろで、兵士は軍事境界線から南側約50メートルの場所で同56分ごろ、流血し倒れていたところを保護された。銃撃で肘と肩を負傷しているという。

 事件直後、南北間での交戦などは起きず、北朝鮮側に目立った動きはないという。韓国軍では亡命した兵士の回復を待ち、身元確認を進めるとともに、亡命の動機や背景を調べる。韓国軍は北朝鮮の挑発に備え、警戒態勢を強化している。

 北朝鮮が核・弾道ミサイルによる挑発を続ける中、トランプ米大統領は先週訪韓し、韓国国会での演説で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権を強く批判。米韓連合軍も北朝鮮への警戒を高めていた。

 JSAは約800メートル四方の区域で、南北双方から当局の許可を受けた観光が可能。板門店での北朝鮮側からの亡命は2007年以来。1984年には北朝鮮側から観光に訪れていたソ連(当時)の大学生が軍事境界線を南側に越え、南北間で銃撃が発生。韓国軍兵士1人と北朝鮮の兵士3人が死亡した。