北朝鮮の核実験 産経「眼前の危機を直視せよ」/「外交的解決の先導を」と毎日

2017/09/13 10:30

 北朝鮮が6回目の核実験を強行し、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆の実験に成功した」と発表した。爆発規模は約160キロトンに達し、これまでよりはるかに大きい。日本列島越しの弾道ミサイル発射からわずか5日後であり、各紙は厳しい現状認識を示した。

 「国民の生命と平穏な暮らしが、極めて危うい状態に置かれようとしている。日本は戦後最大の国難に見舞われているといえる」と表したのは産経である。政府に対し、核・ミサイル開発阻止のため、制裁強化などあらゆる手立てを講じ、北朝鮮の暴発という最悪の事態にも備えるよう求めた。

 産経はさらに「口先だけで平和を唱えていれば危機は訪れないという、独りよがりの『戦後平和主義』は無力かつ有害である。日本のとるべき対応について、国民的な合意が必要だが、忘れてはならないのは、眼前の危機を直視した発想と対応が欠かせない点である」と主張した。

 北朝鮮の立て続けの挑発に、「満を持して危機のレベルを高めようとする強い意思が感じられる」との見方を示したのは毎日だ。「朝鮮半島をめぐる危機が制御できないレベルに到達することを、真剣に憂える」とし、「米国が軍事的圧力を一層強め、北朝鮮がさらなる対抗措置を取って一触即発の状況に近づく可能性がある。北東アジア全体に深刻な被害をもたらす軍事衝突は、絶対に避けなければならない」と訴えた。

 

 読売は「北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射や核実験で、国民には不安が生じている。政府は、的確な情報を随時提供し、冷静な対応を呼びかけることが大切である」と説いた。東京も「国民がいたずらに恐怖感を持たず冷静な判断、対応ができるよう、政府は的確な情報を提供する責務がある」と注文をつけた。

 さらなる強力な圧力として、追加制裁で石油禁輸の導入が焦点となっており、実現に向け北朝鮮を擁護してきた中国とロシアの対応が鍵を握ることは、各紙が言及した。

 石油禁輸をはっきり支持しているのは産経と日経である。産経(5日付)は「石油禁輸は北朝鮮の住民生活に影響し、長期間継続すれば国家秩序の維持も困難になる。それでも石油禁輸が必要なのは、日米をはじめとする極めて多くの人々の生命が脅かされているからだ」と論じた。日経(7日付)は、中露が米国への対抗上、北朝鮮に石油などの物資を提供し後ろ盾となったことが核・ミサイル開発を助長したとし、「北朝鮮への影響力を維持する最後の手段を手放したくないという自国優先の理屈は通用しない」と断じた。

 

 毎日は、北朝鮮問題に利害を持つ日米韓中露による5カ国協議の開催を提案している。石油禁輸をめぐり、日米韓と中露が対立しているが、「米朝の軍事衝突で利益を得る国などない。だからこそ、北朝鮮リスクを管理するという一点で協力する余地はあるはずだ」とし、日本は韓国とともに最も深刻な脅威にさらされており、「外交的解決を先導していくという覚悟が必要である」と促した。朝日は「今月は、ニューヨークでの国連総会を舞台にした外交の時節である」と強調し、国連安全保障理事会での議論と並行し、この5カ国が首脳や外相レベルの協議を通じて、「実効性のある協調行動を実現させなければならない」と指摘した。

 北朝鮮の脅威は急速、確実に高まっている。事態は一刻を争う。(内畠嗣雅)

                  

 ■北朝鮮の核実験強行を受けた社説

【産経】

 ・最悪の暴挙を許さない/あらゆる手立てで国民守れ

【朝日】

 ・国際枠組みの対処急げ

【毎日】

 ・全力で危機を封じ込めよ

【読売】

 ・脅威を具現化する金正恩政権 /国際包囲網で解決の糸口を探れ

【日経】

 ・核実験強行の北朝鮮に石油禁輸制裁科せ

【東京】

 ・北の核 制裁と交渉で

 〈注〉いずれも4日付